アプリとwebの両方で利用可能な、オンライン完結型の学習システムを新規開発したいというご要望。また、利用者の学習意欲を向上させるためのエフェクトやコンテンツにこだわりがあるほか、機能として、動画学習やテストに加えて録音機能を追加したい、利用者によって操作可否制御を入れたいなど、明確なイメージを持っていらっしゃった。

システムを開発するにあたり検討を重ねた結果、余分なアプリ開発を行うよりも、低コストで開発期間も短く、PCのみならずタブレットでも利用可能なPWAを採用。また、動画操作におけるUIを刷新し、タブレット利用の操作性を向上させた。加えて、背景画像のキャラクターにアニメーションを付けたほか、学習終了毎に効果音やメッセージを表示するなど、利用者のモチベーションを向上させる機能を搭載した。さらに、利用者によって操作できる項目を切り替えることで、親子間のコミュニケーションがとれる機能も付与した。

PC上での動きとタブレット上での動きは若干異なるため、多様な使用方法に対応することを前提にUIなど細かい工夫を重ねた。また、多様な画面サイズに対応するために、動画サイズやアニメーション付きキャラクターの配置などを調整した。

お客様は金融機関向けに個人情報を提供しており、業務上で使うシステムが「データ照合システム」と「接続系システム」の２つに分かれていた。特に、データ連携を行う「接続系システム」は、金融機関を中心とした約250社とのオンライン接続をしていたが、担当ベンダーが「接続系システム」からの撤退を表明しており、同システムを担当するベンダーを模索していた。個人情報を取り扱う「接続系システム」はセキュリティ強化が必須となるが、高いITスキルをもって対応する必要があるため、お客様のシステム部門は担当ベンダーに丸投げ状態。そのため、高度な技術力を持つ新たなベンダーの確保は喫緊の課題となっていた。

過去にシステムを担当していた経験から、当社へお声がけを頂いた。「接続系システム」は、個人情報を取り扱うが故に、インターネットのようなオープンなネットワークではなく、特殊なネットワークを基にした企業間接続システムが必要となる。その点、当社では、大手金融機関向けに企業間接続を前提とした「接続系システム」の構築を行った実績があるほか、ミッションクリティカルなシステムや保有している高いITスキルが評価され、当社の『ITLINKGATEWAYパッケージ』が採用された。

「接続系システム」を刷新するが、約250社の金融機関全ての接続仕様を変更することは不可能だった。また、設計書の一部が不足していたほか、コンプライアンス上、旧ベンダーが扱っていたシステムのソースコードが開示されなかった。こうした困難を一つずつ解消して行き、最終的には、約250社に対しての仕様は変更しないことを条件に、詳細な仕様が不明な箇所に関しては当社が再度設計を行い、システム構築を実施した。